[中級英文解釈]
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.
ドストエフスキー Dostoevsky の、『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』 冒頭部分 第二回。
※ → 第一回目
前回は、前半の
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day
までで、だいたい以下の様な意味でした。
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ -この人は当時はこの地方でよく知られた地主だった -の三番目の息子だった。
次に続く、
and still remembered
アンド スティル リメンバード
は、
そしてまだ覚えられている
という感じです。
remembered は、その直前の known が過去分詞だったのと同じととって過去分詞だとすると、「覚えられている」 となります。
続いて、
among us
アマング アス
私たちの間で
さらに、
owing to his gloomy and tragic death
オウィング トゥ ヒズ グルーミィ アンド トラジック デス
ですが、owing to は、「…のおかげで」「...のせいで」「…のために」。
his gloomy and tragic death は、「彼の陰惨で悲劇的な死」 。
gloomy は「陰気な」 とか 「陰惨な」 です。
そうすると、
owing to his gloomy and tragic death
は、
彼の陰惨で悲劇的な死のおかげで
となるので、まとめて、
and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death
までだと、
そして、彼の陰惨で悲劇的な死のせいで、私たちの間ではまだ覚えられている
となります。
では、ここまで全体をみましょう。
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death,
長いので、前の方から訳してみます。
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 この父のほうは当時はこの地方でよく知られた地主だったが、陰惨で悲劇的な死にかたをしたために、私たちの記憶にまだ残されていた。
2015年1月29日木曜日
2014年5月13日火曜日
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは 01
[中級英文解釈]
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.
ちょっと長い文ですが、最初からいきなり見なれない単語が、
Alexey Fyodorovitch Karamazov
と続き、いずれも大文字で始まっています。
じつはこれは人の名前で、
アレクセイ フョードロヴィチ カラマーゾフ
となります。
この文は、有名なドストエフスキー Dostoevsky の、有名な『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』の冒頭部分です。
ドストエフスキーはロシア語で書いているので、これはその英訳です。
で、その アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは何をするのか(何をした)のか、あるいは何であるのか(何であったのか)。
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son ....
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三男だった。
三男は「みつお」じゃなくて「さんなん」です。
紛(まぎ)らわしいので、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三番目の息子だった。
にしましょう。
で、続きは、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov,
また名前です。
Fyodor Pavlovitch Karamazov
は、
フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ
と読むことにしましょう。
なので、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。
となります。
ついで、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner ...
カンマのあとに a landowner (ア ランドオウナー)と続きます。
landowner は「土地所有者」、つまり「地主」のことです。
分解すると、land は「土地」で、owner は「持ち主」ですね。
さてこの a landowner (地主)はそこまでの部分とどうつながるのか。
この a landowner は、 Alexey Fyodorovitch Karamazov のことをいっているのか、それとも Fyodor Pavlovitch Karamazov のことなのか、あるいは別の人なのか。
続きを見ると、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,
a landowner のあとに、過去分詞 known が(いきなり)出てきます。
いきなり、というのは、have や had の後じゃなく、といういみです。 have や had の後に過去分詞が来ていれば、現在完了形とか過去完了形ということになります。
過去分詞がいきなり出てくるときは、その前や後ろにある名詞を修飾していることが多いです。
known は know の過去分詞ですから 「知られた~」「知られている~」 という感じの意味になります。
今回は、
a landowner well known
ですから、
よく知られた地主
でしょう。
続きを見ると、
a landowner well known in our district
district (ディストリクト)は「地区、地域、地方」 なとの意味があるので、
私たちの地方ではよく知られた地主
です。
さらに続きを見ると、
a landowner well known in our district in his own day
で、own (オウン) は、ここでは名詞 day を修飾する形容詞で、
~自身の
といった意味です。
なので、 in his own day は、「彼自身の日」ということになりますが、そうすると
彼自身の日に、私たちの地方ではよく知られた地主
となって意味がとおりません。
そこで day を辞書で調べると、
時代、時世
と載っていますので、
彼自身の時代に、私たちの地方ではよく知られた地主
↓
彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主
という感じでしょう。
さて、ここまでの、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,
を、a landowner の前後で分けて訳してみると、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 / 彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主
となりますが、どうも、a landowner ... はその直前の、 Fyodor Pavlovitch Karamazov を説明してるんじゃないか。
そこで、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、彼自身が生きていた当時は私たちの地方でよく知られた地主である、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。
としてみました。
が、「彼自身が生きていた...」のあたりが、わかりにくいというか、このままだと「彼自身」の「彼」が、アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフのことになってしまいます。
そこで、さらに、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ -この人は当時はこの地方でよく知られた地主だった -の三番目の息子だった。
としました。
(続く)
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.
ちょっと長い文ですが、最初からいきなり見なれない単語が、
Alexey Fyodorovitch Karamazov
と続き、いずれも大文字で始まっています。
じつはこれは人の名前で、
アレクセイ フョードロヴィチ カラマーゾフ
となります。
この文は、有名なドストエフスキー Dostoevsky の、有名な『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』の冒頭部分です。
ドストエフスキーはロシア語で書いているので、これはその英訳です。
で、その アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは何をするのか(何をした)のか、あるいは何であるのか(何であったのか)。
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son ....
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三男だった。
三男は「みつお」じゃなくて「さんなん」です。
紛(まぎ)らわしいので、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三番目の息子だった。
にしましょう。
で、続きは、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov,
また名前です。
Fyodor Pavlovitch Karamazov
は、
フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ
と読むことにしましょう。
なので、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。
となります。
ついで、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner ...
カンマのあとに a landowner (ア ランドオウナー)と続きます。
landowner は「土地所有者」、つまり「地主」のことです。
分解すると、land は「土地」で、owner は「持ち主」ですね。
さてこの a landowner (地主)はそこまでの部分とどうつながるのか。
この a landowner は、 Alexey Fyodorovitch Karamazov のことをいっているのか、それとも Fyodor Pavlovitch Karamazov のことなのか、あるいは別の人なのか。
続きを見ると、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,
a landowner のあとに、過去分詞 known が(いきなり)出てきます。
いきなり、というのは、have や had の後じゃなく、といういみです。 have や had の後に過去分詞が来ていれば、現在完了形とか過去完了形ということになります。
過去分詞がいきなり出てくるときは、その前や後ろにある名詞を修飾していることが多いです。
known は know の過去分詞ですから 「知られた~」「知られている~」 という感じの意味になります。
今回は、
a landowner well known
ですから、
よく知られた地主
でしょう。
続きを見ると、
a landowner well known in our district
district (ディストリクト)は「地区、地域、地方」 なとの意味があるので、
私たちの地方ではよく知られた地主
です。
さらに続きを見ると、
a landowner well known in our district in his own day
で、own (オウン) は、ここでは名詞 day を修飾する形容詞で、
~自身の
といった意味です。
なので、 in his own day は、「彼自身の日」ということになりますが、そうすると
彼自身の日に、私たちの地方ではよく知られた地主
となって意味がとおりません。
そこで day を辞書で調べると、
時代、時世
と載っていますので、
彼自身の時代に、私たちの地方ではよく知られた地主
↓
彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主
という感じでしょう。
さて、ここまでの、
Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,
を、a landowner の前後で分けて訳してみると、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 / 彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主
となりますが、どうも、a landowner ... はその直前の、 Fyodor Pavlovitch Karamazov を説明してるんじゃないか。
そこで、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、彼自身が生きていた当時は私たちの地方でよく知られた地主である、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。
としてみました。
が、「彼自身が生きていた...」のあたりが、わかりにくいというか、このままだと「彼自身」の「彼」が、アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフのことになってしまいます。
そこで、さらに、
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ -この人は当時はこの地方でよく知られた地主だった -の三番目の息子だった。
としました。
(続く)
2014年3月28日金曜日
毎夜その家を通り過ぎた 02
There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:
( Joyce, "Dubliners" )
ジョイスの 『ダブリンの人々』 の冒頭の続きです。
夜ごと、私はその家の前を通り過ぎた (私は休暇中だった) ...
I had passed the house
and
I had studied the lighted square of window
I had passed the house
and
I had studied the lighted square of window
( I had ) studied the ...
( I had ) studied the lighted ...
( I had ) studied the lighted square ...
火の点いた(照らされた)公園
( I had ) studied the lighted square of window
( I had ) studied the lighted square of window
Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:
夜ごとに私はその家の前を通り過ぎ (休暇の時期だった)、照らされた窓の四角形をじっと観察した。
( Joyce, "Dubliners" )
ジョイスの 『ダブリンの人々』 の冒頭の続きです。
前回は and の前までやりました。
Night after night I had passed the house (it was vacation time) ...
この後に、
and studied the lighted square of window:
アンド スタディード ザ ライティッド スクエア オヴ ザ ウインドウ
が続きます。
まず and ですが、and は基本的に何かと何かを並べます。
並べられる何かと何かは (文法上・構文上) 対等な立場になります。
今の場合 and の後にある studied と同じ立場の語句が and の前(左)に在るはずです。
studied は動詞 study の過去形または過去分詞形なので、and の左に、動詞の過去形や過去分詞形がないか探します。
と、すぐに had passed が見つかります。
had は have の過去形、passed はここでは pass の過去分詞形でした。
( was もありますが、wasは括弧の中の文にあるので、とりあえず外して考えましょう。 )
で、studied は had (過去形) と並べられているのか、それとも passed (過去分詞形) と並べられているのか。
つまり、
I had passed the house
and
I studied the lighted square of window
なのか、それとも
and
I had studied the lighted square of window
なのでしょうか。 (太字の赤字は追加した語句)
形としては、
and
I had studied the lighted square of window
のほうが、両方とも
主語 I + had + 動詞の過去分詞
という形になってすっきりします(形式的に整います)。
ですので、とりあえずこちらを採用して、続きを読んで不都合が生じたらまた考え直しましょう。
で、
( I had ) studied...
私は勉強した...
「何を」 勉強したのか。
the は定冠詞なので、theの次には必ず名詞が来ます。
その名詞を 「勉強した」 となるはずです。
ですが、lighted は名詞ではありません。
light は 「光」 「明かり」 という名詞ですが、ここでは -ed がついていることからも分かるように動詞です。
動詞の light は 「火をつける」 「照らす」 などの意味があります。
ここでは それが lighted と -ed がついているので、動詞 light の過去形または過去分詞形になります。
そのどっちなのか?
動詞の「過去形」 は文の述語として使われます。 なので必ずその動詞に対応する主語 (主語となる名詞) があります。
「過去分詞形」 は、受動態(受け身)で使われたり、現在完了形や過去完了形で使われたり、また、「~される」 「~された」 という意味をもった形容詞として名詞を修飾したりします。
今回の場合、the lighted ... となっているので、 lighted は文の述語としては使われてはいません。
さっきも言ったように、 the のあとには名詞が来るので、文の述語としての動詞がくることはないからです。
そうすると、今回の lighted は過去形ではなく、過去分詞形ということになります。
「火をつける」 「照らす」 の light の過去分詞なので 「火を点けられた、火の点いた」 「照らされた」 などの意になります。
では、「火の点いた」のは、「照らされた」 のは何かというと、
square は 「四角形」 です。
あるいは 「(四角い) 公園」 などです。
New York の有名な場所に Times Square (タイムズ・スクエア) というのがありますね。
あそこは公園ではないですが。
では、the lighted square は、
火の点いた(照らされた)四角形
なのか、あるいは
なのか、それとも別のものなのか。
続きを見てみましょう。
of window 、つまり 「窓の」 なので、square は 窓の四角形の形(面)を言っているのでしょう。
それが、「照らされて」 いるのではないでしょうか。
だとすると
は、
私は、窓の照らされた四角形を勉強した
ですが、「勉強した」 じゃ変なので辞書を引くと、study には、
詳しく調べる
注意深く観察する
という意味も出ています。
なので、
( I had ) studied the lighted square of window
は、
私は、窓の照らされた四角形をじっと観察した
とかです。
つなげると、
夜ごとに私はその家の前を通り過ぎ (休暇の時期だった)、照らされた窓の四角形をじっと観察した。
という感じです。
この小説の冒頭からつなげると、
There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:
今度ばかりは彼に望みはなかった。三度目の発作だったのだ。 毎晩ぼくはその家の前を通って (ぼくは休暇中だった)、四角い窓が照らし出されているのをじっと観察した。
こうして全体をつなげると二つのことがわかります。
1. ひとつは、the house の house に定冠詞の the がついているのは、その家がどの家でもいい任意の(=テキトーな)通りすがりの家ではなく、 「彼」 が発作を起こしている 「その家」 だということ。
2. もうひとつは、had passed が過去完了形なのは、「家の前を通りすぎてじっと観察した」 行動が、「彼」 が三度目の発作を起こしたとき (it was the third stroke の過去形) ”より以前” を表現しているということです。
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