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2025年1月21日火曜日

裏切り以上に人間的なものはない

 There is nothing more human than betrayal.


Asahi Weekly DIGITAL のページ、 

英訳天声人語
VOX POPULI: Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal
(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り

 (2023.7.15) の一文目からです。

タイトルの vox populi は英和辞典を見ると、ラテン語で「民の声、世論」です。

つまり「天声人語」の英訳が VOX POPULI となってます。

Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal は、「ミラン・クンデラの文学作品は裏切りというものの多くの側面を示した」というかんじです。

これは、日本語のタイトル「ミラン・クンデラと裏切り」の英訳ですね。


ミラン・クンデラは映画にもなった小説『存在の耐えられない軽さ』などで有名な、チェコスロヴァキア出身のフランスの作家です(1929-2023)。


The Unbearable Lightness of Being - Movieclips


◆ 発音

There is nothing more human than betrayal.

ゼアイズナッスィング モアヒューマン ザン ベトレイヤル


◆ 意味

裏切り以上に人間的なものはない。

※ humanの比較級は、humaner じゃなくて more human なんですね。

ここは「天声人語」の本文(原文)では、「裏切りほど、人間らしい行為もない。」となっています。

(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り:朝日新聞デジタル 


「存在の耐えられない軽さ」の英語(英訳)のタイトルは、

The Unbearable Lightness of Being (→ Amazon
bearable は〈bear(耐える)+ able(できる)〉で「耐えられる」。
unbearable は 否定のun- があるので「耐えられない」。

lightness は、light(軽い)という形容詞の名詞形で「軽さ」。
形容詞 happy の名詞が happiness になるパターン。

being は be動詞の beの動名詞。
be動詞(is, am are)には「在る」「存在する」といういみがあります。なので beingは「在ること」「存在すること」「存在」。


フランス語の原題は、
L'insoutenable légèreté de l'être (→ Amazon)
です。



(ここまで)

2025年1月13日月曜日

オーケストラは個人と社会の間の関係を表す

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

The New York Times の記事(2024.12.04)、"Finding a Sense of Purpose and Harmony Onstage" からの一文です。


このタイトルは、「舞台上で目的と調和の感覚を見出す」というかんじでしょうか。


◆ 大まかな発音:

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
イン メニィウェイズ, ジオーケストラ イズ ザパーフェクトメタファー 

for the relationship between the individual and society.
フォー ザ リレイションシップ ビトゥィーン ジインディヴィジュアル アンド ソサイエティ.


◆ 解釈

in many ways : way は「道」のほかに「やり方」が思いつきますが、この場合は「点」がいいかな。「多くの点で」。手元の辞書を見ると in some ways 「ある点では」などとあります。

orchestra : オーケストラ、管弦楽団。さいしょの or- のところにアクセントがあります。

Farvoで orchestra の発音を確認!

Farvoで聞くとアメリカ人の発音は -ches- のとろこに、オーストラリア人は -tra にアクセントがあるように聞こえますね。

metaphor : 隠喩、比喩、たとえ

ここまでで

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
多くの点で、管弦楽団は完璧な比喩だ

となります。

つぎの relationship は「関係、つながり、結びつき」なので、

the perfect metaphor for the relationship で「関係のための(関係を表す)完璧な比喩(たとえ)」。


でその「関係」がどんな関係かというと、 the relationship between the individual and society なので、「個人と社会との間の関係」となります。

individual : 個人
society : 社会、世間


全部で、

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

多くの点で、オーケストラは個人と社会の間の関係を表す完璧な比喩です。
多くの点で、オーケストラというものは、個人と社会との間の関係を表現する完全なメタファーである。

というかんじです。

※ ChatGPT(無料版)に翻訳してもらいました。その結果は、

「多くの点で、オーケストラは個人と社会の関係を表す完全な比喩と言えます。」

...。


2025年1月1日水曜日

芸術家の仕事は絶望に屈してしまうことじゃなく

The artist's job is not to succumb to despair, but to find an antidote for the emptiness of existence. 


Woody Allenの映画 "Midnight in Paris" (2011) での Gertrude Stein のセリフです。

Official Trailer (※ 今回のセリフは出てきません)


【おおまかな発音】 

The artist's job is not to succumb to despair,
ザ アーティスツ ジョブ イズ ノット トゥ サカム トゥ ディスペア

but to find an antidote 
バット トゥ ファインド アンナンティドゥト 

for the emptiness of existence.
フォー ズィ エンプティネス オブ イグズィステンス


【語句】

・ succumb to : に負ける, 屈する
・ antidote : 解毒剤, 解決方法
・ emptiness : 形容詞 empty(空っぽの)の名詞形。空虚、はかなさ、無意味
・ existence : 生存、実存、生きていること
・ not ... but ~ : ...ではなく~だ


【逐語訳】

The artist's job is not to 芸術家の仕事は…することではなく succumb to despair 絶望に屈する(ことではなく), but (そうではなく) to find an antidote 解毒剤を見つけることだ for the emptiness of existence 生存の空虚さへの(解毒剤を). 


【訳例】

芸術家の仕事は、絶望に屈してしまうことじゃなく、生存の虚しさへの解毒剤を見つけることだ。


(ここまで)


2024年7月14日日曜日

マッコウクジラのお腹から巨大な龍涎香

When a sperm whale washed up dead on a beach in the Canary Island of La Palma no one imagined a valuable treasure was hidden in its entrails.

The Guardian の記事「Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands」(2023.7.4)から。

海岸に打ち上げられた鯨のお腹から出てきたのは...。


おおまかな発音です。

When a sperm whale washed up dead 
ウェン アスパームウェイル ワッシュトアップデッド

on a beach in the Canary Island of La Palma 
オナビーチ インザカナリィアイランド オブラパルマ

no one imagined
ノゥワンイマジンド

a valuable treasure was hidden in its entrails
アヴァリュアブルトレジャー ワズヒドゥン イニッツエントレイルズ


つぎは意味を確認していきましょう。


◇ When a sperm whale washed up dead 

sperm whale の sperm はふつう「精液」ですが、 sperm whale で「マッコウクジラ」です。

むかし、マッコウクジラの頭に溜まっている液体(「脳油」というらしいです)が「精液」だと思われていたからとのことです。

wash は「洗う」ですが、 wash up は「(海岸などに)打ち上げられる」という意味(『ウィズダム英和辞典』より)。

「一匹のマッコウクジラが死んだ状態で打ち上げられたとき」


◇ on a beach in the Canary Island of La Palma 

ラ・パルマ島はスペイン領カナリア諸島(北西アフリカ沖合い)の島です。

「カナリア諸島のラ・パルマ島の海岸に(打ち上げられたとき)」


◇ no one imagined

「だれも想像しなかった」

◇ a valuable treasure was hidden in its entrails

valuable : 価値ある、貴重な
treasure : 宝物

hidden は hide(隠す)の過去分詞。

was hidden で「受け身」、「隠されていた」。

its は「それ(そいつ)の」。

entrails(複数形)は「動物の内臓・腸(はらわた)」。

「貴重な宝物がそいつの腸(はらわた)に隠されていた(ということを)」。

記事を読むとでてきますが、この「貴重な宝物」とは、マッコウクジラの腸内にできる結石で、「龍涎香(りゅうぜんこう)」(ambergris)のことです。写真をみるとかなり巨大です。


全体で、

When a sperm whale washed up dead on a beach in the Canary Island of La Palma no one imagined a valuable treasure was hidden in its entrails.

一頭のマッコウクジラが、カナリア諸島のラ・パルマ島の海岸に打ち上げられ死んでしまっていたとき、だれもそのはらわたに貴重な宝物が隠されているとは想像もしなかった。


記事のタイトルのほうも確認しておきます。

Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands


Pathologist finds
パソロジスト ファインズ

€500,000 ‘floating gold’
ファイブハンドレッドサウザンドユーロ フローティングゴールド

in dead whale in Canary Islands
インデッドウェイル インカナリーアイランズ

→ Pathologist finds 病理学者は見つける €500,000 ‘floating gold’ 50万ユーロの浮遊する金塊を in dead whale 死んだ鯨の中に in Canary Islands カナリア諸島で

→ 病理学者、カナリア諸島の死んだ鯨の中に50万ユーロの「浮かぶ金塊」を発見

龍涎香を「浮かぶ金塊」と言っているのは、龍涎香が海に浮かんで海岸に漂着するからとのことらしいです。


(ここまで)


のけもの国家の指導者が戦争を準備している?

Last week, the two eminent analysts dropped a bomb - so to speak - in stating their belief that the pariah state's leader is preparing for war.


イギリス BBCの2024.1.23の記事、"Kim Jong Un: Is North Korea's leader actually considering war?" より。


◆ だいたいの発音:

Last week, the two eminent analysts
ラスト ウィーク ザ トゥー エミネント アナリスツ
dropped a bomb - so to speak -
ドロップト ア ボム - ソゥ トゥ スピーク -
in stating their belief
イン スティティング ゼア ビリーフ
that the pariah state's leader
ザット ザ パライア ステーツ リーダー
is preparing for war
イズ プリペアリング フォー ウォー


※ 発音はWebの読み上げサービスで確認するといいです。


◆ 意味

_ Last week 先週, the two eminent analysts 二人の著名なアナリストが dropped a bomb 爆弾を落とした 

eminent は「著名な」。


_ so to speak いわば 

この「いわば」は直前の dropped a bomb が本物の爆弾を落としたわけじゃないことを言ってます。


_ in stating their belief 彼らの確信を表明することによって

stating の原形は state。「~を明言する、はっきり言う」。

〈in + -ing[動名詞]〉 でここでは「~することによって」「~した結果」。


_ that the pariah state's leader そのパーリア国家のリーダーが is preparing for war 戦争を準備しているという[→ 彼らの確信]

この that以下の節は直前の their belief の内容(their belief と同格)。

「パーリア国家」というのは ― 知らなかったので調べました  ― 国際社会から孤立している国のこと。

パリアは、もともと「インドの下層民」のこと。


ここまでをくっつけて全文を見ると、

Last week 先週, the two eminent analysts 二人の著名なアナリストが dropped a bomb 爆弾を落とした - so to speak いわば(爆弾みたいなものだ) -  in stating their belief 彼らの確信を表明することによって that the pariah state's leader そのパリア国家のリーダーが is preparing for war 戦争を準備しているという[彼らの確信].


◆ 訳

先週、二人の著名なアナリストが、爆弾 ― と言っていいようなもの ― を落とした。こののけもの国家の指導者が戦争を準備しているという彼らの確信を表明したのだ。


◆ 記事のタイトル

Kim Jong Un: Is North Korea's leader actually considering war?

金正恩:北朝鮮の指導者は実際に戦争を考えているのだろうか。


(ここまで)






2024年6月26日水曜日

女性に厳しい神

Ever since Eve bit into an apple in the Garden of Eden, God has been rough on women.


The New York Times の 2018.3.31の記事、God and Her (Female) Clergy のリード文からです。


□ カタカナ発音:

Ever since Eve bit into an apple 
エヴァシンス イーヴビットイントゥアンナプル

in the Garden of Eden
インザガーデンオヴエデン

God has been rough on women
ガッド ハズビーンラフオンウィミン


□ 語句:

_ ever since ~ : ~以来ずっと
_ bit : bite の過去形
_ bite into : 〈果物など〉にかじりつく
_ be rough on ~ : ~に酷だ, ~につらく当たる
_ have been ~ : ずっと~だ(現在完了形)


□ 訳例: 

Ever since Eve bit into an apple in the Garden of Eden, God has been rough on women.

エヴァがエデンの園でりんごをかじって以来、ずっと神は女性に厳しかった。


(以上)


2022年12月11日日曜日

さいしょはハックされたのかと思ったけど...

 “I thought I’d been hacked. It turned out I’d been fired”: tales of a Twitter engineer


イギリスの週刊新聞 The Economist の 2022.12.02 の記事のタイトルからです。

→ “I thought I’d been hacked. It turned out I’d been fired”: tales of a Twitter engineer


◆ 大まかな発音:

 “I thought I’d been hacked.
アイソート アイドビーンハックト

It turned out I’d been fired”: 
イットターンドアウト アイドビーンファイァド

tales of a Twitter engineer
テイルズオブア トゥィッターエンジニァ


◆ 意味

□ I thought : 私は...だと思った・考えた


□ I'd been hacked = I had been hacked

had been で過去完了。つまり話題の中心となる過去の時点より、時間的に「前の」状態を表しています。

ここでは、直前の I thought が過去形なので、「私が思った」より以前のことを had been ... は表現しています。

had been hacked の been hacked で受動態になります。

hack には「たたき切る」、たとえば「木を切り倒す hack a tree」という意味がありますが、ここでは「コンピューターのシステムに不正に侵入する」といういみの「ハック」です。

「ハッカー hacker」は「hackする人」、つまり「コンピューターのシステムに不正に侵入する人」 。

I'd been hacked. で「ハックされてしまった」。


□ I thought I’d been hacked. 

「ハックされたのかと思っていました。」


□ It turned out I’d been fired.

turn out は「...ということがわかる、判明する」という表現。

主語の it はいわゆる形式主語で、じっさいには後半の I'd been fired を指しています。

つまり、「〈 I'd been fired 〉ということが判明した」です。


□ I'd been fired

had been fired で「fireされた」。さっきの文と同じ構造です。(過去完了と受動態)。

fire は「炎」ではなく、「解雇する」「くびにする」。

つまり「私は解雇されてしまった」。

It turned out I’d been fired. 「自分が解雇されたということがわかった。」


□ : 

「 : 」は句読点のひとつで、コロン(colon)。

コロンのあとには「説明」や「引用」などが続きます。

訳すと「つまり」「すなわち」「というのも」という感じ。


□ tales of a Twitter engineer

「ツイッターのエンジニアの話」。

tale は「物語、話」。


□ “I thought I’d been hacked. It turned out I’d been fired”: tales of a Twitter engineer

あるツイッターエンジニアの物語「ハックされたのかと思ってましたが、くびになったってわかったんです。」


(ここまで)


2022年10月23日日曜日

イランの女性たちが変革への戦いをリード

In a country where a man’s voice has historically been louder, the women of Iran now lead the fight for change.


ニュース雑誌 Time のWebサイト、2022.10.5 の記事、Why Iranian Protesters Chant 'Woman, Life, Liberty' からです。


記事のタイトル、

   Why Iranian Protesters Chant 'Woman, Life, Liberty'

は、

   イランの抗議者たちが「女性、命、自由」をスローガンにするわけ

という感じです。

chant は「を(大声で)何度も言う」「(スローガン)を繰り返し言う」「をシュプレヒコールする」。

※「シュプレヒコール」の意味がわからない人がいるかも。 ググってください!


まず発音を大まかに確認しておきましょう。

In a country where a man’s voice
インナカントリィ ウェア アマンズヴォイス

has historically been louder, 
ハズヒストリカリイ ビーンラウダァ

the women of Iran now lead the fight for change. 
ザウィミンオヴイラン ナウ リードザファイトフォチェインジ


では、文を前から見ていきましょう。

◇ In a country 
(或る)国で(は)

◇ where a man’s voice has historically been louder,

この where は「関係副詞」。

この部分全体が、直前の名詞「a country」を修飾しています。つまり「~な国では」となります。

_ a man’s voice 「男性の声が...」。これが次の has ... been の主語。

man は「人間」となるときもありますが、今回は、この後出てくる「the women」との対比になっているようなので、「男性」としておきます。

_ a man's voice has historically been louder

「男性の声のほうが(ずっと)歴史的により大きかった」

この現在完了は「継続用法」でしょう。

「historically 歴史的に、歴史上(ずっと)~だった」というかんじ。

louder はもちろん loud ([声や音が]大きい)の比較級。


◇ In a country where a man’s voice has historically been louder

「歴史的に男性の声のほうがより大きかった国で」


◇ the women of Iran now lead the fight for change.

「イランの女性たちは今や変革への戦いをリードしている」


◇ 全体で:

In a country where a man’s voice has historically been louder, the women of Iran now lead the fight for change.

歴史的に男の声のほうがより大きかった国で、いまやイランの女性たちは変革への戦いをリードしている。


◆ 単語の確認

声: voice
歴史的に: historically
(声・音が)大きい: loud
導く, 先頭に立つ : lead
戦い: fight


[ここまで]


2020年12月20日日曜日

日本国民は永久に戦争を放棄する

Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.

日本国憲法第9条の英語版です。

【カタカナで発音を確認】

Aspiring sincerely to an international peace
  アスパイアリング スィンスィアリー トゥ アニンターナショナルピース

based on justice and order
  ベイスド オンジャスティス アンドオーダー

the Japanese people forever renounce war
  ザジャパニーズピープル フォエヴァー リナウンスウォア

as a sovereign right of the nation
  アズアソヴリンライト オヴザネイション

and the threat or use of force
  アンド ザスレット オァ ユースオヴフォース

as means of settling international disputes
  アズミーンズ オヴ セトゥリング インターナショナルディスピューツ


では、前から読んでいきます。

1. Aspiring sincerely to an international peace
 国際平和を心から熱望して

〈aspire to ~〉 で「~を熱望する, 切望する」。sincerely は「心から, 誠実に」。
aspiring は aspire の現在分詞で、ここはいわゆる「分詞構文」になっています。


2. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order
 正義と秩序に基づく国際平和を心から熱望して

based はここでは動詞 base の過去分詞。
〈base A on B〉 で「AをBに基(もと)づかせる」「Aの基礎をBに置く」。

例文: Article 9 of our Constitution is based on [upon] our bitter experience. 
わが国の憲法第9条は我々の苦い経験に基づいている. [ルミナス英和辞典]

justice は「正義」、order は「秩序」。


3. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order the Japanese people forever renounce war
 正義と秩序に基づく国際平和を心から熱望して、日本国民は戦争を永久に放棄する

the Japanese people が動詞 renounce(放棄する・断念する)の主語。


4. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation 
 正義と秩序に基づく国際平和を心から熱望して、日本国民は国家の至上権としての戦争を永久に放棄する

| as ~: ~として
| sovereign : 主権を有する、至上の


5. Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.

 正義と秩序に基づく国際平和を心から熱望して、日本国民は国家の至上権としての戦争と、国際紛争を解決する手段としての威嚇や武力の行使とを永久に放棄する。

| threat : 脅迫、おどし
| means : 方法、手段
| settle : 決着をつける、解決する
| dispute : 論争、紛争

renounce「放棄する」対象となっているのは(=renounce の目的語は)、

    war as a sovereign right of the nation
    (国家の至上権としての戦争)  

    the threat or use of force as means of settling international disputes 
    (国際紛争を解決する手段としての威嚇や武力の行使)

の2つで、この2つが接続詞 and で結ばれています。

形を取り出すと、〈 renounce [A as C] and [D as E] 〉 です。

 

2020年2月5日水曜日

私は正義から逃れたのではない(カルロス・ゴーン)

“I have not fled justice—I have escaped injustice and political persecution.”

カルロス・ゴーン氏が日本から脱出。イギリス The Economist 誌 (Jan 2nd 2020 edition) に掲載されているゴーン氏の言葉です。

    → Ghosn, going, gone - The flight of a car-industry megastar shocks Japan (The Economist)


【大まかな発音】

I have not fled justice
アイハヴノットフレッド ジャスティス

I have escaped injustice
アイハヴエスケイプト インジャスティス

and political persecution
アンド ポリティカルパーセキューション


【解説】

◇ I have not fled justice
私は裁判から逃げ出したのではない。

_ fled は動詞 flee(フリー)の過去・過去分詞。 flee は「逃げる」。
have fled で現在完了形。

_ justice は「正義」「裁判」。


◇ I have escaped injustice and political persecution.
私は不正と政治的迫害から逃れたのだ。

_ escape は「逃れる」。

escape は「危険な状況から逃れる」で、flee は「危険から逃れるためにすばやく去る」という感じの違いがあるみたいです。

   → ロングマン現代英英辞典の escape のページ下部にあるシソーラスを参照。

_ inustice は「不正」、persecution 「迫害」。


【訳例】

I have not fled justice—I have escaped injustice and political persecution.

私は裁判から逃げたのではない。不正と政治的迫害から逃れたのだ。



2020年1月30日木曜日

世界初の生物ロボット?

Scientists have created the world's first living, self-healing robots using stem cells from frogs.

CNNのニュースから(2020.1.13)。冒頭の一文です。


  → Meet the xenobot: world's first living, self-healing robots created from frog stem cells

◇ 発音

Scientists have created
サイエンティスツハヴクリエイテッド

the world's first living,
ザワールズファーストリヴィング

self-healing robots
セルフヒーリングロボッツ

using stem cells from frogs.
ユーズィングステムセルズフロムフロッグズ


◇ 分かち訳

Scientists have created (科学者たちは創造した) the world's first living(世界最初の生きている), self-healing robots(自己治癒するロボットを) using stem cells from frogs(カエルから幹細胞を使って).

* using は動詞 use の現在分詞で、「~を使うことによって」っていう感じ(分詞構文)。


◇ 訳文例

科学者たちはカエルの幹細胞を利用して、世界初の、生きて、自己治癒能力のあるロボットを創り出した。


2018年5月23日水曜日

お前たちは人間でさえない 05

 Do you maggots understand that?

映画「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket / 1987)冒頭シーンの第5回目(最終回)です。

    → 第1回目
    → 第2回目
    → 第3回目
    → 第4回目





□ 全文は:

You are not even human fucking beings. You are nothing but unorganized grabastic pieces of amphibian shit! Because I am hard, you will not like me. But the more you hate me, the more you will learn. I am hard but I am fair. There is no racial bigotry here. I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers. Here you are all equally worthless. And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps. Do you maggots understand that?


□ 前回までの訳文:

You are not even human fucking beings.
お前たちは人間ですらない。

You are nothing but unorganized grabastic pieces of amphibian shit!
まだ生き物になれない、何の価値もない、カエルの糞のかけらにすぎない。

Because I am hard, you will not like me.
俺は厳しいぞ。だからお前らは俺を嫌いになる。

But the more you hate me, the more you will learn.
だが俺を嫌えば嫌うほど、多く学べるようになる。

I am hard but I am fair.
俺は厳しいが差別はしない。

There is no racial bigotry here.
ここでは人種的な偏見なんかない。

I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers.
私は黒んぼもユダヤ野郎もイタ公も、メキシコ野郎だって軽蔑なんかしない。

Here you are all equally worthless.
ここではお前らみんな等しく無価値だからだ。

And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps.
それに私の命令はなんのためか? 私の大切な軍団に必要な準備をして仕えようとしない、すべての役立たずの雑草どもを引っこ抜くためだ。


□ 今日の文:

Do you maggots understand that?
ドゥーユーマゴッツ アンダスタンドザット

maggot は「うじ虫」です。

なので、「おまえらうじ虫どもわかったか」です。

この maggots は、主語の you の言い換え(説明・補足)みたいなかんじです。


[この項おわり]


2018年5月17日木曜日

お前たちは人間でさえない 04

And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps. 

映画「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket / 1987)冒頭シーンの第4回目です。

    → 第1回目
    → 第2回目
    → 第3回目




今回は最後から二番目の文です。

[発音]

And my orders are to weed out all non-hackers
アンド マイオーダーズ アートゥウィーダウト オールノンハッカーズ

who do not pack the gear to serve
フー ドゥノットパックザギア トゥサーヴ

in my beloved Corps.
インマイビラヴドコール


[解釈]

◇ And my orders are to weed out
   そして私の命令は...を排除するためだ

weed は名詞で「雑草」、あと「役に立たない人」。 動詞で weed out で「雑草を取る」「役立たない人を排除する」です。

〈 to + 動詞の原形 〉(いわゆる「to不定詞」)はここでは「~するため」という目的を表現しています。(不定詞の副詞的用法)


◇ And my orders are to weed out all non-hackers

weed out の目的語は「 all non-hackers 」。

non-hacker ですが、第1回目でも紹介した Urban Dictionary には、

    Person who gives up, or quits.
    諦める人、やめる人

となっています。(→ 引用元 )

ほかにも調べてみると、"The New Partridge Dictionary of Slang and Unconventional English" という俗語(スラング)辞典に、

    a soldier who cannot keep up with his fellow soldiers; an ineffective, incompetent soldier
    仲間の兵士についていけない兵士。役に立たない、無能な兵士。

という語釈があり、そこに今回の引用文が例文として掲載されています。

ですので、

    And my orders are to weed out all non-hackers
    そして、私の命令は無能なやつを全員排除するためだ

となります。


◇ And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps.

who は関係代名詞。

all non-hackers を who以下の部分が修飾しています。

    all non-hackers ← [who do not pack the gear to serve in my beloved Corps].

pack the gear で「用具を包む・荷造りする」

to serve  in my beloved Corps の serve は「仕える、尽くす」。

beloved 「最愛の」「大切な」。

Corps(発音は「コール」)は、「軍団」。 大文字で書くみたいです。

以上で、

    all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps
    私の大切な軍団に仕えるために荷物をまとめようとしない、すべての役立たずども

です。

 まとめると、

And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps.

それに私の命令は、荷物をまとめて私の大事な軍団に仕えようとしない、すべての役立たずどもを排除するためだ
    ↓
それに私の命令はなんのためか? 私の大切な軍団に必要な準備をして仕えようとしない、すべての役立たずの雑草どもを引っこ抜くためだ。

→ 第5回目


2018年5月10日木曜日

お前たちは人間でさえない 03

I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers. Here you are all equally worthless.

映画「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket / 1987)の冒頭シーン、第3回目。

    → 第1回目
    → 第2回目

今回の引用全体です。

You are not even human fucking beings. You are nothing but unorganized grabastic pieces of amphibian shit! Because I am hard, you will not like me. But the more you hate me, the more you will learn. I am hard but I am fair. There is no racial bigotry here. I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers. Here you are all equally worthless. And my orders are to weed out all non-hackers who do not pack the gear to serve in my beloved Corps. Do you maggots understand that?




さらに「罵倒」は続きます...。

[発音]

    I do not look down on niggers,
    アイドゥノット ルックダウンオン ニガーズ

    kikes, wops or greasers.
    カイクス ワップス オァグリーザァズ

    Here you are all equally worthless.
    ヒァ ユーァオール イークォリワースレス


[意味]

look down on は「下に見る」かんじから「~を軽蔑する」という意味です。

nigger は黒人にたいする差別語、kike はユダヤ人に対する差別語、wop は移民のイタリア系住民に対する差別語、greaser はメキシコ人など中南米人に対する差別語です。

そこで、

    I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers.

は、

    私は、黒んぼも、ユダヤ野郎も、イタ公も、メキシコ野郎も、軽蔑はしない。

という感じです。

あとは、

   Here you are all equally worthless.

   ここでは君たちはみんな平等に価値がない。

です。

まとめると、

I do not look down on niggers, kikes, wops or greasers. Here you are all equally worthless.

私は黒んぼもユダヤ野郎もイタ公も、メキシコ野郎だって軽蔑なんかしない。ここではお前らみんな等しく無価値だからだ。

→ 第4回目

2018年5月8日火曜日

お前たちは人間でさえない 02

Because I am hard, you will not like me. But the more you hate me, the more you will learn. I am hard but I am fair. There is no racial bigotry here.

映画「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket / 1987)の冒頭シーン、第二回目。

    → 第一回目

「罵倒」が続きます...。



[発音]

Because I am hard, you will not like me.
ビコーズ アイアムハード ユーウィルノットライクミー

But the more you hate me, the more you will learn.
バットザモアユーヘイトミー ザモアユーウィルラーン

I am hard but I am fair.
アイアムハード バットアイアムフェア

There is no racial bigotry here.
ゼアリズノウレイシャルビゴトゥリヒア


[意味]

Because I am hard, you will not like me.
私は厳しいので、君たちは私を好きにならないだろう。

But the more you hate me, the more you will learn. 
しかし、君たちが私を憎めば憎むほど、君たちはより多く学ぶことになるだろう。

※ 〈the 比較級 ~, the 比較級 ...〉で、「~すればするほど、ますます...だ」みたいになります。

I am hard but I am fair.
私は厳しいが、私は校正だ。

There is no racial bigotry here.
ここでは人種的な偏狭さはない。

※ bigotry は「頑迷」や「偏狭」。


[まとめ]

Because I am hard, you will not like me. But the more you hate me, the more you will learn. I am hard but I am fair. There is no racial bigotry here.

俺は厳しいぞ。だからお前らは俺を嫌いになる。 だが俺を嫌えば嫌うほど、多く学べるようになる。俺は厳しいが差別はしない。 ここでは人種的な偏見なんかない。

→ 第3回目


2018年5月6日日曜日

お前たちは人間でさえない 01

You are not even human fucking beings. You are nothing but unorganized grabasstic pieces of amphibian shit!

映画「フルメタル・ジャケット」(Full Metal Jacket / 1987)の冒頭シーンの一部です。

鬼教官が海兵隊の新兵教育?をしている場面。


まず、You are not even human fucking beings. から。

発音: ユアノットイーヴン ヒューマンファッキンビーイングズ

    You are not even ...
    君たちは...ですらない

ここでの even は「~(で)さえ」「~(で)すら」です(副詞)。

human は「人間の」(形容詞)、being は「存在」「生き物」。
human being で「人間」です。

    You are not even human beings.
    君たちは人間ですらない

私の持っている『ジーニアス英和辞典〈改訂版〉』では、この even の用法について、

  [例外的な事がらを強調して]

という説明があります。

なるほど!

「君たちは例外的に人間であるということさえできない」ってことですね。

human と beings のあいだに fucking が入っていますが、やはり 『ジーニアス英和辞典』に、

    語気を強めるだけで特に意味はない

とあるので、

    You are not even human fucking beings.
    お前たちは人間ですらない

としておきましょう。

次は2文目の、

    You are nothing but unorganized grabasstic pieces 
    ユアナッスィングバット アンオーガナイズド グラバスティック ピースィズ
    of amphibian shit!
    オヴ アンフィビァン シィット

です。

nothing but は「ただ~だけ」「~でしかない」(= only)です。

※ but は否定語などの後で「~を除いて」という意味になるので、
        nothing but ~ = ~を除いた何ものでもない = ~でしかない
    となります。

このあとの unorganized や grabasstic は pieces(かけら)を就職している形容詞で、

    You are nothing but ... pieces of ~
    君たちは~の...なかけらでしかない

という形になっています。

どんな「かけら」なのか。

unorganized は 「organize されていない」、つまり「組織化されていない」とか「有機体(=生物)になっていない」 とかです。

grabasstic という単語そのものは手元の辞書に載ってないのですが、grab-ass という単語が『リーダーズ・プラス』にあり、

    vi. 遊びまわる, ぶらぶらする.
    n. 《性的な意図をもって》 相手の体にさわる[をまさぐる]こと.

となっています。


※ grab は「ひっつかむ」で、ass は「尻」なので、grab-ass はそのままだと「尻つかみ」みたいな感じか。

grabasstic は grab-ass の形容詞形っぽいので、

    遊びまわっている、ぶらぶらしてる
   〈性的に〉体をまさぐっている

みたいな意味でしょうか。

もうちょっとググってみたら、Urban Dictionary というサイトに grabasstic の2つの意味が載っていて、

1つ目: 校庭で遊ぶ grab-ass というゲームのような特性をもっていること、つまり、まったく混乱していて無秩序なこと

・Having the qualities of a playground game of grab-ass, ie, totally chaotic and disorganized.

2つ目: まったく価値のない人。 いかなる価値も持たない人。たいていは、人の性格を表す他の形容語句といっしょに使われる。

・One who is completely without worth. A person with no value whatsoever. Usually combined with other epithets on one's character.

となっています。

  → Urban Dictionary: grabasstic

そして、この2つ目の意味の例文として、"You are one unorganized, grabbasstic piece of amphibious shit!" が挙がっています。

そこで、

    You are nothing but unorganized grabasstic pieces of ...

までを、

    君たちはまだ生き物になっていない、無価値の...のかけらにすぎない

としておきましょう。

そして、何の「かけら」かというと、

    of amphibian shit

です。

amphibian は「両生類の」、shit は「糞(くそ)」。

なので、

    You are nothing but unorganized grabasstic pieces of amphibian shit!
    君たちはまだ生き物になっていない、無価値な、両生類の糞のかけらにすぎない

です。

まとめると、

    You are not even human fucking beings. You are nothing but unorganized grabasstic pieces of amphibian shit!

    お前たちは人間ですらない。 まだ生き物になれない、何の価値もない、カエルの糞のかけらにすぎない。

( → 第2回目 )


2018年3月19日月曜日

自分が信じられないほど喉が渇いていることに気づいた

No sooner had I regained my ability to feel the cold than I noticed how incredibly thirsty I was.

[ Ryu Murakami, "In The Miso Soup" ]

この文は村上龍の小説『イン・ザ・ミソスープ』の英語訳からの引用です。

 → In the Miso Soup (Amazon)

発音は、

No sooner had I regained my ability
ノースーナー ハッド アイ リゲインド マイ アビリティ

to feel the cold than I noticed
トゥ フィール ザコールド ザン アイ ノーティスト

how incredibly thirsty I was.
ハウ インクレディディブリ サースティ アイ ワズ

という感じです。

この文は、

    No sooner had 主語 + 過去分詞 ... than 主語 + 動詞過去形 ~.

という形式になっています。

この形式は、「...するとすぐに~した」というような意味になります。

例文をこの形式に当てはめてみると、

No sooner had主語過去分詞...than主語動詞過去形
No sooner hadIregainedmy ability to feel the coldthanInoticedhow incredibly thirsty I was

となります。

それぞれの単語や表現の意味を確認しておきます。
  • regain は「取り戻す、回復する」。
  • my ability to feel the cold で「寒さを感じる私の能力」。
  • notice は「気づく」。
  • how incredibly thirsty I was で「どれくらい信じられないくらい喉が渇いていたか」。
全体では、

No sooner had I regained my ability to feel the cold
寒さを感じる力を取り戻すとすぐに

than I noticed how incredibly thirsty I was.
私はどれほどひどく喉が渇いていたかに気づいた。

となります。

※ ここは、村上龍の原文ではどうなってるんでしょうか。 (確認できたらお伝えします。)

◆ no sooner ... than ~ の構成

no sooner ... than ~ はなぜ「...するとすぐ~」という意味なのでしょうか。

no sooner が文頭ではなく、途中に組み込まれた文を見てみます。

He had no sooner seen me than he went out.
彼は僕の姿を見るや否や出て行った。 [斎藤和英大辞典]

こうするとわかりやすいですが、これは比較級の文です。

sooner は soon の比較級です。

ここでは sooner に no がついているので、「ゼロ程度により早く」、つまり「ほぼ同時に」という感じになります。

つまり、

He had no sooner seen me than he went out.

は、

彼が出ていったのよりゼロ程度に早く彼は私を見た。
   ↓
彼が出ていったのは、彼が私を見たのとほぼ同時だった。
   ↓
彼は私を見るとすぐに出ていった。

ということになります。

no sooner が文頭に来るのは、no sooner (否定の気持ち)を強調するためです。

そして否定部分が文頭に来ると主語(he)と動詞(had)が倒置されます(逆になります)。

He had no sooner seen me than he went out.
    ↓
No sooner had he seen me than he went out.

ですので、冒頭の引用文は、

I had no sooner regained my ability to feel the cold than I noticed how incredibly thirsty I was.

と書いても文としてOKです。

それから、

    He had no sooner seen me than he went out.

の前半が過去完了形、後半が過去形になっているのは、前半の事態(彼が私を見た)が、後半の事態(彼は出ていった[過去])よりも「以前」の出来事だからです。

◆ 訳例

No sooner had I regained my ability to feel the cold than I noticed how incredibly thirsty I was.

寒さを感じることができるようになったとたん、自分が信じられないほど喉が渇いていることに気づいた。


2018年1月15日月曜日

男と女の欲望

Freud wrote that men desire women but women desire men’s desire of them.

( Jane Juska, "A Round-Heeled Woman" )

2017年10月に亡くなったアメリカの作家、Jane Juska (ジェーン・ジャスカ)の "A Round-Heeled Woman" (邦題『ふしだらかしら - 老嬢ジェーンのセックスとロマンをめぐる冒険』) からの引用です。



大まかな発音は、

    Freud wrote that men desire women
    フロイト ロウト ザット メン ディザイア ウィミン

    but women desire men’s desire of them
    バット ウィミン ディザイア メンズ ディザイア オブ ゼム

という感じです。

Freud (フロイト)は19世紀中盤オーストリアに生まれた心理学者です。

では、文の意味を見ていきましょう。

    Freud wrote
    フロイトは書いた

とあるので、次に「何を」書いたかが来るはず。

もし、 Freud wrote a book. だったら、「フロイトは(一冊の)本を書いた」となりますが、ここでは、

    Freud wrote that

とあるので、この that を「あれを」と解すると、

    フロイトはあれを書いた

となりますが、

that を「接続詞」と解すると、この that の後に主語と動詞からなる文が続くことになり、

    Freud wrote that 主語(S) + 動詞(V) ...

というパターンになるので、

    フロイトは S は Vする(Vである)...ということを書いた

となります。

続きを見ると、

    Freud wrote that men desire women

となっていて、men が主語で desire が動詞となるので、

    フロイトは男たちは女たちを欲するということを書いた

となります。

後半は、

    but women desire men’s desire of them

で、

    but(しかし) women desire(女たちは欲する)
    men’s desire of them (男たちの彼女たちへの欲望を)

となるので、

    しかし、女たちは男たちの彼女たちへの欲望を欲する

みたいになります。

全体で、

    Freud wrote that men desire women but women desire men’s desire of them.

    男は女を欲するが、女が欲するのは男が女に対して持つ欲望なのだ、とフロイトは書いている。

という感じです。


2015年2月2日月曜日

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは 03

[中級英文解釈]

Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.


ドストエフスキー Dostoevsky の、『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』 冒頭部分 第三回目です。



前回は、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death,


までで、意味は、

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 この父のほうは当時この地方でよく知られた地主で、陰惨な悲劇的な死にかたをしたために、私たちの記憶にまだ残されていた。

という感じでした。


きょうは、この後に続く、

    , which happened thirteen years ago, 

ウィッチ ハップンド サーティーンイヤーズ アゴウ

を見ていきましょう。


which は関係代名詞というやつです。

関係代名詞は、「代名詞」の役割と「接続詞」の役割を持ちます。


代名詞としては、直前に出てきた名詞の代わりを務めます。

今回の場合 which の直前にある名詞は、 (his gloomy and tragic) death (死) なので、which はこれを受けている代名詞だと考えられます。

このように関係代名詞が受けている名詞のことを「先行詞」といったりしますね。


関係代名詞のもう一つの役割は、関係代名詞の後に続く文(=関係代名詞節)を先行詞と「接続」します。

言い換えると、関係代名詞節が先行詞を修飾 (または説明) します。

    関係代名詞節 → 先行詞


今回の場合だと、

    which happened thirteen years ago → his gloomy and tragic death

という感じです。


今言ったように、関係代名詞のあとには 「文」 が続きますが、この文というのは、基本的に

主語 + 述語動詞 + いろいろ

から成ります。

そして、関係代名詞はこの「文」 の主語になったり、目的語になったりします。


今回の場合は、

which happened thirteen years ago

となっているので、関係代名詞 which はその後に続く動詞 happened の主語だと考えられます。


happened は happen の過去形で、「(事件・できごとが)起きる、生じる」 という意味です。

なので、

   (それは)三十年前に起こった

となります。


そうすると、

    owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago,

の部分は、

陰惨で悲劇的な死によって ← (その死は)30年前に起こった

     ↓ 

   30年前に起こった、陰惨で悲劇的な死によって

という感じになりそうですし、意味も通ります。


ですが、今回は関係代名詞 which の前にカンマ ( , ) があります。

    owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago,


カンマは小休止みたいなものなので、

    owing to his gloomy and tragic death

まででいったん文の流れが区切られ、

そのまま、

     which happened thirteen years ago,

へと流れていく感じです。


ですので訳す場合もその流れを尊重して、

    陰惨で悲劇的な死 - それは30年前に起こったのだが - ...

みたいに前から後ろへ読んでいったほうがよいです。


では、ここまでを確認しておきましょう。


    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago,

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 フョードルは彼の生きていた時代にはこの地方でよく知られた地主で、陰惨な悲劇的な死にかた -それは30年前に起きた事件だ-をしたために、私たちの記憶にはまだ残っていた。



2015年1月29日木曜日

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは 02

[中級英文解釈]

Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.


ドストエフスキー Dostoevsky の、『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』 冒頭部分 第二回。

  ※ → 第一回目

前回は、前半の

Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day

までで、だいたい以下の様な意味でした。

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ -この人は当時はこの地方でよく知られた地主だった -の三番目の息子だった。


次に続く、

and still remembered

    アンド スティル リメンバード

は、

そしてまだ覚えられている

という感じです。

remembered は、その直前の known が過去分詞だったのと同じととって過去分詞だとすると、「覚えられている」 となります。


続いて、

among us

   アマング アス

私たちの間で

さらに、

owing to his gloomy and tragic death

    オウィング トゥ ヒズ グルーミィ アンド トラジック デス

ですが、owing to は、「…のおかげで」「...のせいで」「…のために」。

his gloomy and tragic death は、「彼の陰惨で悲劇的な死」 。

gloomy は「陰気な」 とか 「陰惨な」 です。

そうすると、

owing to his gloomy and tragic death

は、

彼の陰惨で悲劇的な死のおかげで

となるので、まとめて、

and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death

までだと、

そして、彼の陰惨で悲劇的な死のせいで、私たちの間ではまだ覚えられている

となります。


では、ここまで全体をみましょう。

Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death,

長いので、前の方から訳してみます。

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 この父のほうは当時はこの地方でよく知られた地主だったが、陰惨で悲劇的な死にかたをしたために、私たちの記憶にまだ残されていた。