2014年10月13日月曜日

コツコツ初級英単語 001: dream

コツコツ英単語を覚えて行こうってかんじの「コツコツ初級英単語」。


今日は第一回目。

単語は、

    dream

だよ。


発音は

    ドゥリーム

って感じ。


「ドゥ」 は軽く、「リー」を強くはっきり伸ばして、「ム」は口を閉じる。


インターネットの 「Forvo」 というホームページに行くといろんな単語をいろんな人が発音してくれている。

もちろん dream の発音も聞けるよ!

   → dream の発音 (Forvo)


そして、dream の意味は?

そうですね、

    夢

です。


それから、国語で品詞というのを習ったと思うけど、英語にももちろん品詞がある。

dream (夢) の品詞は?

    名詞

ですね!


ところで、みんな、「ドリカム」 っていう音楽グループ知ってるかな?

ドリカムの正式グループ名は

    DREAMS COME TRUE

で、読み方は、

    ドゥリームズ カム トゥルー

だよ。


意味は、

  夢は実現する

って意味なんだ。


夢を持っていない人はとりあえず英語の単語でも覚えよう!


2014年9月30日火曜日

小学生のための英語 001: 「アイ ラブ ユー」から始めよう

「小学生のための英語」 をはじめます。

第一回目は、『 「アイ ラブ ユー」から始(はじ)めよう』 です!



「愛してるよ」 とか 「好きだ」 とか、

もうちょっと長く言うと、「ぼくは君を愛してる」 とか 「私はあなたのことがが好きよ」 とかを、


英語で何というでしょうか?



そうです、


アイ ラブ ユー


ですね。



これを英語で書くと 


I love you. 


となります。



この I love you. の読み方をカタカナで書くと

アイ ラブ ユー


です。



ここで、ローマ字を学んだことのある人は注意(ちゅうい)!


I love you. を無理(むり)やりローマ字読みすると、

I イ love ロベ you ヨウ


とかなっちゃいます。



ローマ字の読み方と、英語の読み方は、似(に)ているところもあるけど、

違う(ちがう)ことのほうが多いです。



なので注意しましょう。



さて、


I の読み方は「アイ」


です。


love は「ラブ」。

you は「ユー」。


というふうに、今カタカナで英語の音を書きましたが、


ほんとうはカタカナで英語の音をじょうずに表すことはできません。


なぜなら、日本語の発音(はつおん)の仕組み(しくみ)と、

英語の発音の仕組みがかなり違うからです。



ここでいう「発音の仕組み」というのは、


ことばを発するときの口の開け方とか、


舌、つまりベロを口の中のどのへんに置くかとか、


ベロの形(延[の]ばすとか丸[まる]めるとか)とか、


喉の広がり具合(ぐあい)


とかです。



たいへんそうだね。



けっきょく発音を学ぶときは、実際(じっさい)の音を聞くのが一番(いちばん)いいです。



実際の音を先生の発音や指示(しじ)を聞きながら真似(まね)すると、


自然(しぜん)と「発音の仕組み」が身に着(つ)きますから。



ここでは、ことばで発音の説明(せつめい)をしてみますから、


参考(さんこう)にしてください。



まず love (ラブ)の「ラ」です。



じつは、英語の「ラリルレロ」の音には大きく分けると二種類(しゅるい)あります。


つぎの2つの単語(たんご)をみてみましょう。

lock

rock


この両方(りょうほう)とも読み方は(カタカナで書くと)「ロック」となります。


だけど、lock のほうの「ロ」は、べろ(舌)の先っちょを、


上の前歯(まえば)の裏側(うらがわ)に軽く(かるく)くっつけて、


それを離し(はなし)ながら発音します。


lock 「ロック」


何度か声に出して言ってみましょう。



rock のほうの「ロ」は、 べろ(舌)の先っちょを


今度(こんど)は口の中のどこにも付けないで、


口の中でちょっと丸めて、


その舌先を元の平ら(たいら)に戻し(もどし)ながら発音します。


rock 「ロック」


こっちも何度か声に出して言ってみましょう。ちょっと発音しにくいけどね。



love の「ラ」は、lock の「ロ」と同じです。


つまり、 「べろ(舌)の先っちょを、上の前歯の裏側(うらがわ)に軽くくっつけて、

それを離しながら発音します」。



じゃあこんどは、love の「ブ」だ。


この「ブ」は、日本語のバビブベボのブの発音ではありません。


v という綴り(つづり)を読むときは、上の前歯で下唇(くちびる)を軽〜く噛んで(かんで)、


っていうか 上の前歯を下唇に添える(そえる)感じで「ブ」を発音します。



よく聞くとほんのちょっとだけ(ほんとにほんのちょっとだけ)、かすれたような音がします。



この、 下唇を軽く噛んで 発音する「ブ」のことを「ヴ」と書き表すことがあります。


そうすると I love you. の読み方は「アイ ラヴ ユー」と書くことになります。


I と you は、それぞれ「アイ」と「ユー」です。


「ユー」のほうはくちびるをちゃんと付き出して言ってくださいね。



そういえばAKB48の「ヘビーローテーション」という曲の初めのほうで、


「アイラービュー」って歌ってるけど、もちろんI love you. のことだよ。



♦ I love you. の意味


I love you. は「わたしはあなたが好き」って意味だけど、

I と love と you とはそれぞれどういう意味なんでしょうか。



だいたい予想がついていると思うけど...。



そうです、I は 「私は」、love は 「愛してる」、

you は「あなたを」 という意味になります。



日本語だと 「私は」「あなたを」「愛している」 という順番になるのが普通です。


英語は、「私は」 「愛している」 「あなたを」 という語順(ごじゅん)になるんですね!


それから、文の終わりは日本語なら 「。」、英語なら 「 . 」 を着け(つけ)ます。



この小さな点 ( . ) のことを 「ピリオド」 っていうので覚えて(おぼえて)おいてね。



ピリオド、ぴりおど、ピりオど、ぴリおド、ピリオド...。



では、今回はこれまで。



最後(さいご)に宿題 (しゅくだい)。


家族(かぞく)や友達(ともだち)や、

ペットの犬や猫(ねこ)、校庭(こうてい)の木とか道端(みちばた)の葉っぱに向かって


そっと、あるいは大きい声で I love you. と言ってみましょう。 


最低10回は言ってみること。



もうひとつ。


I love you. をノートに大きな字で、いろんなふうに 20回書いて、

書いたら大きい声で20回読んでください。



これできみも 「愛」 が語れる(かたれる)かも...。


まだ早いかな。


じゃあ、次回まで、バイビー。


2014年5月13日火曜日

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは 01

[中級英文解釈]

Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day, and still remembered among us owing to his gloomy and tragic death, which happened thirteen years ago, and which I shall describe in its proper place.


ちょっと長い文ですが、最初からいきなり見なれない単語が、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov

と続き、いずれも大文字で始まっています。

じつはこれは人の名前で、

    アレクセイ フョードロヴィチ カラマーゾフ

となります。


この文は、有名なドストエフスキー Dostoevsky の、有名な『カラマーゾフの兄弟 The Brother Karamazov』の冒頭部分です。

ドストエフスキーはロシア語で書いているので、これはその英訳です。


で、その アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは何をするのか(何をした)のか、あるいは何であるのか(何であったのか)。

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son ....

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三男だった。

三男は「みつお」じゃなくて「さんなん」です。

紛(まぎ)らわしいので、

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、三番目の息子だった。

にしましょう。


で、続きは、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov,

また名前です。

    Fyodor Pavlovitch Karamazov

は、

    フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ

と読むことにしましょう。

なので、

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。

となります。


ついで、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner ...

カンマのあとに a landowner (ア ランドオウナー)と続きます。

landowner は「土地所有者」、つまり「地主」のことです。

分解すると、land は「土地」で、owner は「持ち主」ですね。

さてこの a landowner (地主)はそこまでの部分とどうつながるのか。

この a landowner は、 Alexey Fyodorovitch Karamazov のことをいっているのか、それとも Fyodor Pavlovitch Karamazov のことなのか、あるいは別の人なのか。


続きを見ると、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,

a landowner のあとに、過去分詞 known が(いきなり)出てきます。

いきなり、というのは、have や had の後じゃなく、といういみです。 have や had の後に過去分詞が来ていれば、現在完了形とか過去完了形ということになります。

過去分詞がいきなり出てくるときは、その前や後ろにある名詞を修飾していることが多いです。

known は know の過去分詞ですから 「知られた~」「知られている~」 という感じの意味になります。


今回は、

    a landowner well known

ですから、

    よく知られた地主

でしょう。

続きを見ると、

    a landowner well known in our district

district (ディストリクト)は「地区、地域、地方」 なとの意味があるので、

    私たちの地方ではよく知られた地主

です。


さらに続きを見ると、

    a landowner well known in our district in his own day

で、own (オウン) は、ここでは名詞 day を修飾する形容詞で、

    ~自身の

といった意味です。

なので、 in his own day は、「彼自身の日」ということになりますが、そうすると

    彼自身の日に、私たちの地方ではよく知られた地主

となって意味がとおりません。


そこで day を辞書で調べると、

    時代、時世

と載っていますので、

    彼自身の時代に、私たちの地方ではよく知られた地主
        ↓
    彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主

という感じでしょう。


さて、ここまでの、

    Alexey Fyodorovitch Karamazov was the third son of Fyodor Pavlovitch Karamazov, a landowner well known in our district in his own day,

を、a landowner の前後で分けて訳してみると、

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。 /  彼自身が生きていた当時は、私たちの地方でよく知られた地主

となりますが、どうも、a landowner ... はその直前の、 Fyodor Pavlovitch Karamazov を説明してるんじゃないか。

そこで、

     アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、彼自身が生きていた当時は私たちの地方でよく知られた地主である、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフの三番目の息子だった。

としてみました。


が、「彼自身が生きていた...」のあたりが、わかりにくいというか、このままだと「彼自身」の「彼」が、アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフのことになってしまいます。

そこで、さらに、

    アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフは、フョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ -この人は当時はこの地方でよく知られた地主だった -の三番目の息子だった。

としました。


(続く)


2014年4月22日火曜日

毎夜その家を通り過ぎた 04

   There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window: and night after night I had found it lighted in the same way, faintly and evenly.


James Joyce の "Dubliners" 冒頭の第4回めです。

コロン( : ) のあとの  I had found it lighted あたりまでやりました。


さて、続いて

    in ...

    in the ...

    in the same ...

    in the same way ...

    イン ザ セイム ウェイ

と続きます。


same は「同じ」という形容詞。

way はとりあえず「道」または「やり方」のどちらかかなと思えばだいたい合います。

この場合、

    同じ道で

なのか、

    同じやり方で

なのか。


ここまで読んでくると、「毎晩同じ仕方で窓(窓枠)が照らされていた」みたいなことを言いたいんだろうとわかるので、 in the same way は「同じやり方・仕方で」でしょう。

いま辞書(ジーニアス英和辞典)を引いてみたら、

    in the same way

    同じやり方で、同じように

とちゃんと出ていました。

「同じ道で」という意味にはならないようです。


ここまでの確認をしましょう。

    and night after night I had found it lighted in the same way

   そして毎夜それが同じように照らされているのを見出すのだった。

    そして夜ごとにその窓が同じ仕方で照らし出されているのを確認するのだった。


最後に、カンマ comma の後に、faintly and evenly と続きます。

発音は、フェイントリィ アンド  イーヴンリィ。

-ly というのは副詞です。


※ lily は名詞ですけど。


-ly という副詞は[形容詞+ly]でできています。

    faintly = faint + ly
    evenly = even + ly

faint は「かすかな、ほのかな」という形容詞。

すると  faintly は 「かすかに、ほのかに」という副詞。

even は 「むらのない、均一の 」。

evenly は 「むらなく、均一に」。

という感じです。


ここでは窓が照らされている様子が描かれているので、

    faintly and evenly

は、

    ほのかにそして一様に

などとしておきましょう。


まとめると、

    and night after night I had found it lighted in the same way, faintly and evenly.

    そして夜ごとに私はその窓が同じように、ほのかにそして一様に照らされているのを見出した

です。


2014年4月11日金曜日

毎夜その家を通り過ぎた 03


James Joyce の "Dubliners"、3回目。


コロンの続きを見てみましょう。 (太字の箇所)

    There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window: and night after night I had found it lighted in the same way, faintly and evenly.


コロンの後は and で始まっています。

and については前回 and studied the lighted square ... の箇所でも触れたように、

   ・ and は基本的に何かと何かを並べます。

   ・ 並べられる何かと何かは (文法上・構文上) 対等な立場になります。

ということでした。


ここでも 「何」 と 「何」 を “対等” に並べているかがポイントになりそうです。

続きを見てみると

    and night after night

と、前の文と同じ表現が出てきました。 「そして毎晩毎晩」 です。

    and night after night I had found ...

前の文はここは

   Night after night I had passed ...

となっていたので、パターンが同じです。

そうすると、and night after night の and は、前後に同じパターンの文を並べていると予想が着きます。


図式化すると、

    Night after night I had passed the house

                           [and] studied the lighted square of window:

    (and)

    night after night I had found it lighted ...


ということになりそうです。


では、2回目の night after night の後の、

    I had found it lighted (アイ ハッド ファウンド イット ライティッド)

です。


had found は前の文と同じく過去完了形で、found は動詞 find の過去分詞。

find の基本の意味は「見つける」ですが、もう一つ「〜が...(な状態)だとわかる・見出す・気付く」というのがあります。


今回の場合、

    I had found it lighted

なので、

    私は I / わかった had found /それが it / 照らされた lighted 状態だ と

つまり、

  それが照らされていることがわかるのだった。

ということでしょう。


この形をつかめないと

    I had found it lighted

を、

    私はそれを見つけた I had found it / 照らしていた lighted

とか、

    私は見つけた I had found / それは照らしていた it lighted

とかやってしまうかも。


同じパターンの例文を見つけたので見ておきましょう。

    Finally a servant found a bathroom door locked.

    (William Faulkner, "Sanctuary")


発音:

    Finally a servant found

    ファイナリィ ア サーヴァント ファウンド

    a bathroom door locked.

    ア バスルームドア ロックト


意味:

    Finally とうとう / a servant 召使の一人が / found 気づいた / a bathroom door バスルームのドアが / locked ロックされている(鍵がかかっている)のを.


さて話は戻って、

    I had found it lighted

ですが、ここで照らされている 「それ」 ( it ) とは “窓” のことを指しているのでしょうか。

英文中の it は多くの場合具体的な単語(や単語群)の代わりをしています。

もちろんほとんどの場合、 it が代理する単語(単語群)は it より前(左)にあります。

今の場合はどれでしょうか。

    There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window: and night after night I had found it lighted in the same way, faintly and evenly.


the lighted square of window の window でしょうか。

この文章をよく読むと、 it  が代理しているのは the lighted square of window という語群のほうのような気がします。どうでしょうか。

(続く...)


2014年3月28日金曜日

毎夜その家を通り過ぎた 02

There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:

( Joyce, "Dubliners" )


ジョイスの 『ダブリンの人々』 の冒頭の続きです。


前回は and の前までやりました。


    Night after night I had passed the house (it was vacation time) ...

    夜ごと、私はその家の前を通り過ぎた (私は休暇中だった) ...


この後に、

    and studied the lighted square of window: 

    アンド スタディード ザ ライティッド スクエア オヴ ザ ウインドウ

が続きます。


まず and ですが、and は基本的に何かと何かを並べます。 

並べられる何かと何かは (文法上・構文上) 対等な立場になります。


今の場合 and の後にある studied と同じ立場の語句が and の前(左)に在るはずです。

studied は動詞 study の過去形または過去分詞形なので、and の左に、動詞の過去形や過去分詞形がないか探します。

と、すぐに had passed が見つかります。

had は have の過去形、passed はここでは pass の過去分詞形でした。

( was もありますが、wasは括弧の中の文にあるので、とりあえず外して考えましょう。 )


で、studied は had (過去形) と並べられているのか、それとも passed (過去分詞形) と並べられているのか。


つまり、

    I had passed the house
        and    
    I studied the lighted square of window

なのか、それとも

    I had passed the house
      and    
    I had studied the lighted square of window

なのでしょうか。 (太字の赤字は追加した語句)


形としては、

    I had passed the house
      and    
    I had studied the lighted square of window

のほうが、両方とも

    主語 I + had + 動詞の過去分詞

という形になってすっきりします(形式的に整います)。


ですので、とりあえずこちらを採用して、続きを読んで不都合が生じたらまた考え直しましょう。


で、

    ( I had ) studied...

    私は勉強した...


「何を」 勉強したのか。

    ( I had ) studied the ...

the は定冠詞なので、theの次には必ず名詞が来ます。

その名詞を 「勉強した」 となるはずです。

    ( I had ) studied the lighted ...

ですが、lighted は名詞ではありません。

light は 「光」 「明かり」 という名詞ですが、ここでは -ed がついていることからも分かるように動詞です。

動詞の light は 「火をつける」 「照らす」 などの意味があります。

ここでは それが lighted と -ed がついているので、動詞 light の過去形または過去分詞形になります。


そのどっちなのか?

動詞の「過去形」 は文の述語として使われます。 なので必ずその動詞に対応する主語 (主語となる名詞) があります。

「過去分詞形」 は、受動態(受け身)で使われたり、現在完了形や過去完了形で使われたり、また、「~される」 「~された」 という意味をもった形容詞として名詞を修飾したりします。


今回の場合、the lighted ... となっているので、 lighted は文の述語としては使われてはいません。

さっきも言ったように、 the のあとには名詞が来るので、文の述語としての動詞がくることはないからです。


そうすると、今回の lighted は過去形ではなく、過去分詞形ということになります。

「火をつける」 「照らす」 の light の過去分詞なので 「火を点けられた、火の点いた」 「照らされた」 などの意になります。 

では、「火の点いた」のは、「照らされた」 のは何かというと、

    ( I had ) studied the lighted square ...

square は 「四角形」 です。

あるいは 「(四角い) 公園」 などです。

New York の有名な場所に Times Square (タイムズ・スクエア) というのがありますね。

あそこは公園ではないですが。


では、the lighted square は、

    火の点いた(照らされた)四角形

なのか、あるいは

    火の点いた(照らされた)公園
    
なのか、それとも別のものなのか。


続きを見てみましょう。

    ( I had ) studied the lighted square of window

of window 、つまり 「窓の」 なので、square は 窓の四角形の形(面)を言っているのでしょう。

それが、「照らされて」 いるのではないでしょうか。


だとすると

    ( I had ) studied the lighted square of window

は、

    私は、窓の照らされた四角形を勉強した

ですが、「勉強した」 じゃ変なので辞書を引くと、study には、

    詳しく調べる

    注意深く観察する

という意味も出ています。


なので、

    ( I had ) studied the lighted square of window

は、

    私は、窓の照らされた四角形をじっと観察した

とかです。


つなげると、

    Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:

    夜ごとに私はその家の前を通り過ぎ (休暇の時期だった)、照らされた窓の四角形をじっと観察した。

という感じです。


この小説の冒頭からつなげると、

    There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:

    今度ばかりは彼に望みはなかった。三度目の発作だったのだ。 毎晩ぼくはその家の前を通って (ぼくは休暇中だった)、四角い窓が照らし出されているのをじっと観察した。


こうして全体をつなげると二つのことがわかります。


1. ひとつは、the house の house に定冠詞の the がついているのは、その家がどの家でもいい任意の(=テキトーな)通りすがりの家ではなく、 「彼」 が発作を起こしている 「その家」 だということ。


2. もうひとつは、had passed が過去完了形なのは、「家の前を通りすぎてじっと観察した」 行動が、「彼」 が三度目の発作を起こしたとき (it was the third stroke の過去形) ”より以前” を表現しているということです。 



毎夜その家を通り過ぎた 01

There was no hope for him this time: it was the third stroke. Night after night I had passed the house (it was vacation time) and studied the lighted square of window:

( Joyce, "Dubliners" )


ジェイムズ・ジョイス 『ダブリンの人々』 、前回の続き、小説冒頭の2文目を読みます。


今回は Night から and の前まで見てみます。


一応発音を。

    Night after night

    ナイト アフター ナイト

    I had passed the house

    アイハッド パスト ザハウス

    (it was vacation time)

    イットゥ ワズ ヴェイケイション タイム


最初の、

    Night after night ...

は、

    夜ごとに(毎晩)...

という意味になります。

after の前後に同じ名詞を置いて、反復や継続を表します。

同じような表現で、

    day after day

だと、

    来る日も来る日も (毎日毎日)

になります。


※ The Beatles (ザ・ビートルズ) というバンドの The Fool On The Hill (丘の上の愚か者) という曲の出だしが Day after day ... で始まります。


もう一つ例を。

    time after time

    何度も何度も

この場合の time は 「時間」 じゃなくて、「回」 のほうの意味ですね。

※ .Cyndi Lauper (シンディー・ローパー) という歌手のヒット曲に Time After Time というのがありました。


では、続きを見てみましょう。

    Night after night I had passed ...

    夜ごとに私はパスした...

pass は

    通り過ぎる
    (時が)経つ
    (試験に)受かる
    (ボールを)パスする

などいろんな意味を持ちます


今の場合は、

    Night after night I had passed the house ...

と、続いているので、

    その家を通り過ぎた

という意味の pass でしょう。


ここで、 pass は had passed と過去完了形になっています。

過去完了形は、ある過去の時点を基準にして、その時点までに完了した事態を表します。

なので、「基準になっている過去の或る時点」 があるはずです。


続きの括弧の中を見ると、

    Night after night I had passed the house (it was vacation time)

となっていて、

   毎晩、私はその家の前を通り過ぎた (休暇中だったのだ)

と訳せばよいでしょう。


(続く)


2014年3月21日金曜日

エミリー・グリーアソンさんが死んだとき

When Miss Emily Grierson died, our whole town went to her funeral.

( Willaim Faulkner, "A Rose for Emily" )


20世紀前半の作家、ウィリアム・フォークナー の短編 「エミリーにバラを」 の冒頭です。


まず、カタカナですが発音を。

    When Miss Emily Grierson died,

    ウェン ミス エミリー グリアソン ダイド

    our whole town went to her funeral.

    アワー ホウル タウン ウェント トゥ ハー フューネラル


では、頭から見て行きましょう。

    When ...

whenは、「いつ ...?」 という疑問詞か、 「... が ~ するとき」 という接続詞か、 “関係副詞” の when のいずれかの可能性があります。

今回の場合は、文の最後に疑問符 (? / クエスチョンマーク / Question Mark ) がないし、疑問文なら did Miss Emily Grierson die ...? とかになるはずですがそうなってないので、疑問詞の when ではないです。

また、 関係副詞の when は ... the time when ... とかいうふうに、時間を表す名詞の後に when が来たりするので、関係副詞の when でもないです。


なので、今回の when は接続詞の when (...が~するとき) です。

なんて長々書かなくても文が短いのですぐにわかりますが。


で、when の後に来ているのは、

    When Miss Emily Grierson

エミリー・グリアソンという独身の女性 (Miss) です。


接続詞の when の後は、

    When 主語 + 述語動詞 ...

となるはずなので、この Miss Emily Grierson は主語でしょう。


続きを見ると、

    When Miss Emily Grierson died

なので、 died (dieの過去形)、つまり「死んだ」 という動詞が来ています。

ここまでで、

    エミリー・グリアソンさんが死んだ時、

となります。


Miss Emily Grierson を 「エミリー・グリアソンさん」と訳すと 「独身の女性」 であることがわかりません。

そこで、「エミリー・グリアソン嬢」 とか訳すこともありますが、「~嬢」 って 「未婚の女性」 っていう意味があるのですが、あまり耳慣れないですね。

それに、「嬢」 はいまはけっこう若い女性を指す感じですが、Miss は、年齢に関係なく 「独身(未婚)」 の女性になります。

続きを読んでいくとわかりますが、この 「エミリー・グリアソン」 さんは “老人” です。


文に戻って、died のあとにカンマ (コンマ comma ) があります。

    When Miss Emily Grierson died,

コンマは、ピリオド ( period 終止符 ) と違って、ひとつの文としては終わらないけど、途中の切れ目だよみたいな感じでした。

いまの whenの文だと、

    When 主語1+述語動詞1 ..., 主語2 + 述語動詞2 ....

というパターンで、「...が~するとき、xxxはoooする」 みたいなのがあります。


ですので、今回の

    When Miss Emily Grierson died,

のコンマ (,) は、その切れ目じゃないかと予想がつきます。


続けてみていくと、

    When Miss Emily Grierson died, our

    エミリー・グリアソンさんが死んだとき、私たちの...

our (私たちの)「何」でしょうか、


    When Miss Emily Grierson died, our whole ...

    エミリー・グリアソンさんが死んだとき、私たちの全体の...

whole は、形容詞で 「全体の~、~の全体、~まるごと」 です。


※ スーパーに売ってる缶詰の 「ホールトマト」、 むかし料理なんてしてないころ、「穴あき (hole) トマト」 ってどいうトマトなんだ? と思ってましたが、よく考えたら 「トマトまるごと(whole)」 の whole のほうでした...。


で、「私たちの ~ 全体」 の 「~」 は何かといえば、

    When Miss Emily Grierson died, our whole town ...

「私たちの町の全体」 「私たちのまち全部」。


それがどうした (何をした) のか?

    When Miss Emily Grierson died, our whole town went ...

「私たちの町の全体」 「私たちのまち全部」 が、「行った」。


「どこ」へ行った?

    When Miss Emily Grierson died, our whole town went to her funeral.

to her funeral に行ったと言っています。

funeral は 「葬式」 なので、

    エミリー・グリアソンさんが死んだ時、私たちの町全体が彼女の葬式に行った。

となります。

「町全体」 は 「町の人みんな」 でもいいかもしれません。


※ 日本語訳は、新潮文庫の『フォークナー短編集』 などがあります。