2025年2月2日日曜日

モナリザのルームメートもよろこぶ

Mona Lisa's roommates may be glad she's moving out

NPRの 2025.1.29の記事のタイトルです。

※ 発音の確認は、英文読み上げサービス、たとえば Free Text to Speech Online with Realistic AI Voices などでどうぞ。無料でもある程度使えます。便利です。


■ Mona Lisa's roommates may be glad she's moving out

Mona Lisa's roommates が文の主語で、may be glad が動詞部分ですね。

「モナリザのルームメイトたちはよころぶだろう」です。

may はここでは「~かもしれない」という推量。

何をよろこぶのかというと、gladのあとの she's moving out をです。

move out で「引っ越していく」「立ち退く」。

「彼女が引っ越していくのをよろこぶ」です。

is moving out で現在進行形ですが、ここでの用法は「はっきり決まっている未来」を表す現在進行形です。

she は Mona Lisa。

数日前に、フランスのマクロン大統領が、ルーブル美術館の改修計画を発表し、モナリザの絵も別の部屋に移す計画です。


be glad の後には節(S+V...)を持ってくることができます。

この文全体で、

   Mona Lisa's roommates may be glad she's moving out
   モナリザのルームメイトたちは彼女が出ていくのを喜ぶだろう


ルームメイトってだれのことかというと、モナリザと同じ展示室に飾られいる絵画たちのこと。

モナリザといっしょの部屋にいると部屋も混むし、自分たちのことを気にしてもらえないし、ってことらしいです。


(ここまで)


2025年1月21日火曜日

裏切り以上に人間的なものはない

 There is nothing more human than betrayal.


Asahi Weekly DIGITAL のページ、 

英訳天声人語
VOX POPULI: Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal
(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り

 (2023.7.15) の一文目からです。

タイトルの vox populi は英和辞典を見ると、ラテン語で「民の声、世論」です。

つまり「天声人語」の英訳が VOX POPULI となってます。

Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal は、「ミラン・クンデラの文学作品は裏切りというものの多くの側面を示した」というかんじです。

これは、日本語のタイトル「ミラン・クンデラと裏切り」の英訳ですね。


ミラン・クンデラは映画にもなった小説『存在の耐えられない軽さ』などで有名な、チェコスロヴァキア出身のフランスの作家です(1929-2023)。


The Unbearable Lightness of Being - Movieclips


◆ 発音

There is nothing more human than betrayal.

ゼアイズナッスィング モアヒューマン ザン ベトレイヤル


◆ 意味

裏切り以上に人間的なものはない。

※ humanの比較級は、humaner じゃなくて more human なんですね。

ここは「天声人語」の本文(原文)では、「裏切りほど、人間らしい行為もない。」となっています。

(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り:朝日新聞デジタル 


「存在の耐えられない軽さ」の英語(英訳)のタイトルは、

The Unbearable Lightness of Being (→ Amazon
bearable は〈bear(耐える)+ able(できる)〉で「耐えられる」。
unbearable は 否定のun- があるので「耐えられない」。

lightness は、light(軽い)という形容詞の名詞形で「軽さ」。
形容詞 happy の名詞が happiness になるパターン。

being は be動詞の beの動名詞。
be動詞(is, am are)には「在る」「存在する」といういみがあります。なので beingは「在ること」「存在すること」「存在」。


フランス語の原題は、
L'insoutenable légèreté de l'être (→ Amazon)
です。



(ここまで)

2025年1月13日月曜日

オーケストラは個人と社会の間の関係を表す

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

The New York Times の記事(2024.12.04)、"Finding a Sense of Purpose and Harmony Onstage" からの一文です。


このタイトルは、「舞台上で目的と調和の感覚を見出す」というかんじでしょうか。


◆ 大まかな発音:

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
イン メニィウェイズ, ジオーケストラ イズ ザパーフェクトメタファー 

for the relationship between the individual and society.
フォー ザ リレイションシップ ビトゥィーン ジインディヴィジュアル アンド ソサイエティ.


◆ 解釈

in many ways : way は「道」のほかに「やり方」が思いつきますが、この場合は「点」がいいかな。「多くの点で」。手元の辞書を見ると in some ways 「ある点では」などとあります。

orchestra : オーケストラ、管弦楽団。さいしょの or- のところにアクセントがあります。

Farvoで orchestra の発音を確認!

Farvoで聞くとアメリカ人の発音は -ches- のとろこに、オーストラリア人は -tra にアクセントがあるように聞こえますね。

metaphor : 隠喩、比喩、たとえ

ここまでで

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
多くの点で、管弦楽団は完璧な比喩だ

となります。

つぎの relationship は「関係、つながり、結びつき」なので、

the perfect metaphor for the relationship で「関係のための(関係を表す)完璧な比喩(たとえ)」。


でその「関係」がどんな関係かというと、 the relationship between the individual and society なので、「個人と社会との間の関係」となります。

individual : 個人
society : 社会、世間


全部で、

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

多くの点で、オーケストラは個人と社会の間の関係を表す完璧な比喩です。
多くの点で、オーケストラというものは、個人と社会との間の関係を表現する完全なメタファーである。

というかんじです。

※ ChatGPT(無料版)に翻訳してもらいました。その結果は、

「多くの点で、オーケストラは個人と社会の関係を表す完全な比喩と言えます。」

...。


2025年1月1日水曜日

芸術家の仕事は絶望に屈してしまうことじゃなく

The artist's job is not to succumb to despair, but to find an antidote for the emptiness of existence. 


Woody Allenの映画 "Midnight in Paris" (2011) での Gertrude Stein のセリフです。

Official Trailer (※ 今回のセリフは出てきません)


【おおまかな発音】 

The artist's job is not to succumb to despair,
ザ アーティスツ ジョブ イズ ノット トゥ サカム トゥ ディスペア

but to find an antidote 
バット トゥ ファインド アンナンティドゥト 

for the emptiness of existence.
フォー ズィ エンプティネス オブ イグズィステンス


【語句】

・ succumb to : に負ける, 屈する
・ antidote : 解毒剤, 解決方法
・ emptiness : 形容詞 empty(空っぽの)の名詞形。空虚、はかなさ、無意味
・ existence : 生存、実存、生きていること
・ not ... but ~ : ...ではなく~だ


【逐語訳】

The artist's job is not to 芸術家の仕事は…することではなく succumb to despair 絶望に屈する(ことではなく), but (そうではなく) to find an antidote 解毒剤を見つけることだ for the emptiness of existence 生存の空虚さへの(解毒剤を). 


【訳例】

芸術家の仕事は、絶望に屈してしまうことじゃなく、生存の虚しさへの解毒剤を見つけることだ。


(ここまで)


2024年10月20日日曜日

イランへの報復攻撃の可能性

Though Israel has so far reported no deaths, the Iranian attack may prompt retaliatory strikes, possibly even on facilities in which the Islamic republic is thought to be developing nuclear weapons.


The Economist のニュースレター The Economist today, October 1st 2024 の内容からです。


おおまかな発音:

Though Israel has so far
ゾウ イズリアル ハズ ソウ ファー
reported no deaths,
リポーティッド ノウ デスㇲ
the Iranian attack may prompt
ズィ イレイニアン アタック メイ プロンプト
retaliatory strikes,
リタリアトリィ ストライクス
possibly even on facilities in which
ポッシブリィ イーヴン オン ファシリティーズ イン ウィッチ
the Islamic republic is thought to be
ズィ イスラミック リパブリック イズ ソート トゥ ビー
developing nuclear weapons.
ディヴェロピング ニュークリア ウェポンズ


単語:

・ prompt は 「引き起す」「駆り立てる」。
・ retaliatory は「報復の, 仕返しの」。


逐語訳:

Though ...だけれども Israel イスラエルは has so far これまでのところ reported no deaths いかなる死も報告していない(けれども), the Iranian attack イランの攻撃は may prompt 誘発するかもしれない retaliatory strikes (複数の)報復攻撃を, possibly even ことによると...さえ on facilities 諸施設に(さえ) in which そこでは the Islamic republic そのイスラム共和国が is thought to be ...であると思われている developing nuclear weapons 核兵器どもを開発して(いると).

訳例:

これまでのところイスラエル側から死者の報告はないが、イランの攻撃によって報復攻撃の可能性が高まったといえよう。場合によってはイスラム共和国イランが核兵器を開発していると考えられている施設も標的にるかもしれない。


(ここまで)

2024年7月14日日曜日

マッコウクジラのお腹から巨大な龍涎香

When a sperm whale washed up dead on a beach in the Canary Island of La Palma no one imagined a valuable treasure was hidden in its entrails.

The Guardian の記事「Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands」(2023.7.4)から。

海岸に打ち上げられた鯨のお腹から出てきたのは...。


おおまかな発音です。

When a sperm whale washed up dead 
ウェン アスパームウェイル ワッシュトアップデッド

on a beach in the Canary Island of La Palma 
オナビーチ インザカナリィアイランド オブラパルマ

no one imagined
ノゥワンイマジンド

a valuable treasure was hidden in its entrails
アヴァリュアブルトレジャー ワズヒドゥン イニッツエントレイルズ


つぎは意味を確認していきましょう。


◇ When a sperm whale washed up dead 

sperm whale の sperm はふつう「精液」ですが、 sperm whale で「マッコウクジラ」です。

むかし、マッコウクジラの頭に溜まっている液体(「脳油」というらしいです)が「精液」だと思われていたからとのことです。

wash は「洗う」ですが、 wash up は「(海岸などに)打ち上げられる」という意味(『ウィズダム英和辞典』より)。

「一匹のマッコウクジラが死んだ状態で打ち上げられたとき」


◇ on a beach in the Canary Island of La Palma 

ラ・パルマ島はスペイン領カナリア諸島(北西アフリカ沖合い)の島です。

「カナリア諸島のラ・パルマ島の海岸に(打ち上げられたとき)」


◇ no one imagined

「だれも想像しなかった」

◇ a valuable treasure was hidden in its entrails

valuable : 価値ある、貴重な
treasure : 宝物

hidden は hide(隠す)の過去分詞。

was hidden で「受け身」、「隠されていた」。

its は「それ(そいつ)の」。

entrails(複数形)は「動物の内臓・腸(はらわた)」。

「貴重な宝物がそいつの腸(はらわた)に隠されていた(ということを)」。

記事を読むとでてきますが、この「貴重な宝物」とは、マッコウクジラの腸内にできる結石で、「龍涎香(りゅうぜんこう)」(ambergris)のことです。写真をみるとかなり巨大です。


全体で、

When a sperm whale washed up dead on a beach in the Canary Island of La Palma no one imagined a valuable treasure was hidden in its entrails.

一頭のマッコウクジラが、カナリア諸島のラ・パルマ島の海岸に打ち上げられ死んでしまっていたとき、だれもそのはらわたに貴重な宝物が隠されているとは想像もしなかった。


記事のタイトルのほうも確認しておきます。

Pathologist finds €500,000 ‘floating gold’ in dead whale in Canary Islands


Pathologist finds
パソロジスト ファインズ

€500,000 ‘floating gold’
ファイブハンドレッドサウザンドユーロ フローティングゴールド

in dead whale in Canary Islands
インデッドウェイル インカナリーアイランズ

→ Pathologist finds 病理学者は見つける €500,000 ‘floating gold’ 50万ユーロの浮遊する金塊を in dead whale 死んだ鯨の中に in Canary Islands カナリア諸島で

→ 病理学者、カナリア諸島の死んだ鯨の中に50万ユーロの「浮かぶ金塊」を発見

龍涎香を「浮かぶ金塊」と言っているのは、龍涎香が海に浮かんで海岸に漂着するからとのことらしいです。


(ここまで)


のけもの国家の指導者が戦争を準備している?

Last week, the two eminent analysts dropped a bomb - so to speak - in stating their belief that the pariah state's leader is preparing for war.


イギリス BBCの2024.1.23の記事、"Kim Jong Un: Is North Korea's leader actually considering war?" より。


◆ だいたいの発音:

Last week, the two eminent analysts
ラスト ウィーク ザ トゥー エミネント アナリスツ
dropped a bomb - so to speak -
ドロップト ア ボム - ソゥ トゥ スピーク -
in stating their belief
イン スティティング ゼア ビリーフ
that the pariah state's leader
ザット ザ パライア ステーツ リーダー
is preparing for war
イズ プリペアリング フォー ウォー


※ 発音はWebの読み上げサービスで確認するといいです。


◆ 意味

_ Last week 先週, the two eminent analysts 二人の著名なアナリストが dropped a bomb 爆弾を落とした 

eminent は「著名な」。


_ so to speak いわば 

この「いわば」は直前の dropped a bomb が本物の爆弾を落としたわけじゃないことを言ってます。


_ in stating their belief 彼らの確信を表明することによって

stating の原形は state。「~を明言する、はっきり言う」。

〈in + -ing[動名詞]〉 でここでは「~することによって」「~した結果」。


_ that the pariah state's leader そのパーリア国家のリーダーが is preparing for war 戦争を準備しているという[→ 彼らの確信]

この that以下の節は直前の their belief の内容(their belief と同格)。

「パーリア国家」というのは ― 知らなかったので調べました  ― 国際社会から孤立している国のこと。

パリアは、もともと「インドの下層民」のこと。


ここまでをくっつけて全文を見ると、

Last week 先週, the two eminent analysts 二人の著名なアナリストが dropped a bomb 爆弾を落とした - so to speak いわば(爆弾みたいなものだ) -  in stating their belief 彼らの確信を表明することによって that the pariah state's leader そのパリア国家のリーダーが is preparing for war 戦争を準備しているという[彼らの確信].


◆ 訳

先週、二人の著名なアナリストが、爆弾 ― と言っていいようなもの ― を落とした。こののけもの国家の指導者が戦争を準備しているという彼らの確信を表明したのだ。


◆ 記事のタイトル

Kim Jong Un: Is North Korea's leader actually considering war?

金正恩:北朝鮮の指導者は実際に戦争を考えているのだろうか。


(ここまで)