2025年1月21日火曜日

裏切り以上に人間的なものはない

 There is nothing more human than betrayal.


Asahi Weekly DIGITAL のページ、 

英訳天声人語
VOX POPULI: Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal
(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り

 (2023.7.15) の一文目からです。

タイトルの vox populi は英和辞典を見ると、ラテン語で「民の声、世論」です。

つまり「天声人語」の英訳が VOX POPULI となってます。

Milan Kundera’s literary works showed many faces of betrayal は、「ミラン・クンデラの文学作品は裏切りというものの多くの側面を示した」というかんじです。

これは、日本語のタイトル「ミラン・クンデラと裏切り」の英訳ですね。


ミラン・クンデラは映画にもなった小説『存在の耐えられない軽さ』などで有名な、チェコスロヴァキア出身のフランスの作家です(1929-2023)。


The Unbearable Lightness of Being - Movieclips


◆ 発音

There is nothing more human than betrayal.

ゼアイズナッスィング モアヒューマン ザン ベトレイヤル


◆ 意味

裏切り以上に人間的なものはない。

※ humanの比較級は、humaner じゃなくて more human なんですね。

ここは「天声人語」の本文(原文)では、「裏切りほど、人間らしい行為もない。」となっています。

(天声人語)ミラン・クンデラと裏切り:朝日新聞デジタル 


「存在の耐えられない軽さ」の英語(英訳)のタイトルは、

The Unbearable Lightness of Being (→ Amazon
bearable は〈bear(耐える)+ able(できる)〉で「耐えられる」。
unbearable は 否定のun- があるので「耐えられない」。

lightness は、light(軽い)という形容詞の名詞形で「軽さ」。
形容詞 happy の名詞が happiness になるパターン。

being は be動詞の beの動名詞。
be動詞(is, am are)には「在る」「存在する」といういみがあります。なので beingは「在ること」「存在すること」「存在」。


フランス語の原題は、
L'insoutenable légèreté de l'être (→ Amazon)
です。



(ここまで)

2025年1月13日月曜日

オーケストラは個人と社会の間の関係を表す

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

The New York Times の記事(2024.12.04)、"Finding a Sense of Purpose and Harmony Onstage" からの一文です。


このタイトルは、「舞台上で目的と調和の感覚を見出す」というかんじでしょうか。


◆ 大まかな発音:

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
イン メニィウェイズ, ジオーケストラ イズ ザパーフェクトメタファー 

for the relationship between the individual and society.
フォー ザ リレイションシップ ビトゥィーン ジインディヴィジュアル アンド ソサイエティ.


◆ 解釈

in many ways : way は「道」のほかに「やり方」が思いつきますが、この場合は「点」がいいかな。「多くの点で」。手元の辞書を見ると in some ways 「ある点では」などとあります。

orchestra : オーケストラ、管弦楽団。さいしょの or- のところにアクセントがあります。

Farvoで orchestra の発音を確認!

Farvoで聞くとアメリカ人の発音は -ches- のとろこに、オーストラリア人は -tra にアクセントがあるように聞こえますね。

metaphor : 隠喩、比喩、たとえ

ここまでで

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor 
多くの点で、管弦楽団は完璧な比喩だ

となります。

つぎの relationship は「関係、つながり、結びつき」なので、

the perfect metaphor for the relationship で「関係のための(関係を表す)完璧な比喩(たとえ)」。


でその「関係」がどんな関係かというと、 the relationship between the individual and society なので、「個人と社会との間の関係」となります。

individual : 個人
society : 社会、世間


全部で、

In many ways, the orchestra is the perfect metaphor for the relationship between the individual and society. 

多くの点で、オーケストラは個人と社会の間の関係を表す完璧な比喩です。
多くの点で、オーケストラというものは、個人と社会との間の関係を表現する完全なメタファーである。

というかんじです。

※ ChatGPT(無料版)に翻訳してもらいました。その結果は、

「多くの点で、オーケストラは個人と社会の関係を表す完全な比喩と言えます。」

...。


2025年1月1日水曜日

芸術家の仕事は絶望に屈してしまうことじゃなく

The artist's job is not to succumb to despair, but to find an antidote for the emptiness of existence. 


Woody Allenの映画 "Midnight in Paris" (2011) での Gertrude Stein のセリフです。

Official Trailer (※ 今回のセリフは出てきません)


【おおまかな発音】 

The artist's job is not to succumb to despair,
ザ アーティスツ ジョブ イズ ノット トゥ サカム トゥ ディスペア

but to find an antidote 
バット トゥ ファインド アンナンティドゥト 

for the emptiness of existence.
フォー ズィ エンプティネス オブ イグズィステンス


【語句】

・ succumb to : に負ける, 屈する
・ antidote : 解毒剤, 解決方法
・ emptiness : 形容詞 empty(空っぽの)の名詞形。空虚、はかなさ、無意味
・ existence : 生存、実存、生きていること
・ not ... but ~ : ...ではなく~だ


【逐語訳】

The artist's job is not to 芸術家の仕事は…することではなく succumb to despair 絶望に屈する(ことではなく), but (そうではなく) to find an antidote 解毒剤を見つけることだ for the emptiness of existence 生存の空虚さへの(解毒剤を). 


【訳例】

芸術家の仕事は、絶望に屈してしまうことじゃなく、生存の虚しさへの解毒剤を見つけることだ。


(ここまで)